熟年離婚は若い頃の離婚と異なり、
目前に迫る老後生活のことを
考慮しておかなければなりません。
熟年離婚で辛い老後を迎えないためには、
離婚前の準備がとても重要になってきます。
ところで、熟年離婚をする際の
最も大きな問題は何でしょうか?
それは、離婚後の生活資金です。
熟年離婚を考えている方は、
すでに子育てが終わっていますから、
子供への悪影響は少ないでしょう。
その代わり、
だんだんと老いていく時に貧困に陥ってしまうと、
そこから抜け出すことが
難しくなってしまいます。
そこで今回は、
離婚後の生活資金を中心に、
熟年離婚をする前に
しておきたいことをお伝えしていきます。
熟年離婚で考えておきたい生活費の変化
熟年離婚をする際に一番大切なことは、
経済的な自立です。
まず、離婚後の生活費がどの位必要か、
試算してみましょう。
具体的な生活費を知って、
しっかりと下準備をしておくことで、
離婚後の経済的な不安から解消されます。
また、離婚した際に行われる
財産分与で損をしないために、
預金を含む夫婦の財産がどのくらいあるのか
把握しておきましょう。
きちんと財産を把握しておかないと、
正当な財産分与を得ることが
難しくなってしまいます。
財産の把握は、
必ず離婚を切り出す前にやっておきましょう。
というのは、
夫が財産分与をできるだけ少なくしようと、
財産を処分してしまったり、
隠してしまう場合もあり得るからです。
財産分与の対象は、預貯金の他、
婚姻期間中に購入した家、車、
有価証券(株、商品券など)などです。
婚姻期間中に購入していれば、
夫名義でも財産分与の対象になります。
ただし、結婚前に夫が貯めていた預金は
財産分与の対象外です。
財産分与は、
夫婦が協力して築いた財産とされていますから、
基本的には公平に半分に分けます。
また、財産分与の他に、
年金分割によって年金を受け取ることもできます。
しかし、年金分割は
婚姻期間中に夫が支払った厚生年金のみが対象です。
しかも、年金の満額を
受け取れるわけではないですから、
期待していたよりも
金額が少ないと思った方がよいでしょう。
年金分割で受け取れる金額については、
年金相談センターで相談してみてくださいね。
また、離婚後の経済的な自立を確保するために、
今まで仕事を続けてきた方はその仕事を続ける、
専業主婦の方でしたら、
離婚前に仕事に就いておいた方がいいでしょう。
専業主婦だった方はブランクがあり、
仕事を見つけるのは
容易ではないかもしれません。
離婚する前に何か資格を取る、
パソコンのスキルを上げるなどをして、
仕事に就きやすくしておきましょう。
熟年離婚後の住む場所は基本いまと変わると思って準備を
熟年離婚後の住まいを確保しておくことは、
とても大切です。
熟年離婚後の財産分与で、
現在住んでいる家に
住むことができる場合もあります。
しかし、基本的には、
熟年離婚後に住む場所は、
今住んでいるところと変わると思ってください。
熟年離婚後の住まいとしては、
次の選択肢があります。
- 実家に帰る
家賃は発生しませんが、
出戻りで近所の目が気になったり、
現在の知人、友人などと
遠く離れてしまうかもしれません。
- 賃貸住宅に住む
自分で住む所を選べますが、
家賃を払い続けなくてはなりません。
保証人や、敷金・礼金も必要になります。
老後に家賃を払い続けるのが難しくなった場合は、
高齢者向けの優良賃貸住宅や
公営住宅への入居も
検討した方が良いでしょう。
熟年離婚後の住まいは、
本当にその場所に住むことができるのか、
家賃などの費用を確認してから決めてくださいね。
まとめ
熟年離婚は、急ぎ過ぎてはいけません。
離婚前に、生活資金や住む場所など
自立できる基盤を作っておきましょう。
感情的になって無計画なままで離婚すると、
必ず後悔します。
今から離婚後の生活設計をしっかり立てて、
準備を始めていきましょう。